人には大なり小なり変身願望がある─花嫁衣装と女装は似ている
女装は、一度やると癖になるという。
なぜ癖になるのか?一言で言えば「カ・イ・カ・ン」だからだ。
そして、(特にアラフォー以降の)花嫁衣装は、女装に似ている。
そんなことを思ったのだった。
やる気のない準備、衣装合わせ
先日、記念写真のためウェディング・ドレスを着たわたくし。
式をやる予定はないので、最初で最後(予定)です。
結婚願望ほぼゼロ、ドレス願望ゼロのわたくしなので、写真撮りについても完全に「親を喜ばせるため」。
よって全く気分は盛り上がらず、むしろアラフォーの熟れた体をさらすのがとても憂鬱だった。
事前のドレス選びも面倒くさかったので、全く悩まずに追加料金なしのものにさっさと決定。新郎のタキシード選び並みの早さで決まりましたよ。
普通、ウェディング系の段取りとなると男女の温度差がありすぎてケンカになるとよく聞きますが、うちの場合は温度差もなく、淡々と機械的に進んでいきました。
そういう意味ではうちのパートナーはとても楽で幸せ者だと思う。
撮影で気をつけることは2点だけ。①美しい姿勢 ②照れ笑いしない
いざ当日。
のっそりと面倒くさい気持ちと体を引きずって会場に登場。
こんな覇気のない花嫁があっていいのだろうか。
ただわたくし、普段クリエイティブディレクター仕事をしているため、カメラマンへ指示することは慣れているのもあり、微妙にロケにも慣れている。
また、こんなに金がかかっているのだから、できる中でベストを尽くそうとは思っていました。
よって、
・照れ笑いは絶対にしない
・とにかく美しい姿勢を保つ
この2点だけは死守することを誓って、現場に臨みました。
もちろん共犯者であるパートナーにもその2点は守ってもらいましたよ。
いざ撮影。あら・・・? 楽しい・・・?
メイクも着付けも終わり、あとは撮るだけ。
もー、メイクもこってりだし、ドレス重いし、疲れる。早く終わりたい。。。
と思っていたのですが、いざ撮影が始まると・・・
あら・・・
楽しい・・・?
いつもと違うメイク(濃いめ)に、お姫様のようなドレス。
エスコートされているポーズ。
自分が自分でないみたい。
そして飛び交うみんな(※カメラマンと付き人だけ)の視線と褒め言葉・・・
普段はどちらかというと注目されるのは苦手な私なのだが、なに、このスポットライトを浴びる快感は。
あたしを褒めて!!
もっと褒め上げて!!
抱いて!!!
( ´,_ゝ`)プッ
すっかり昇天いたしました。
シニア花嫁は、オネエの女装に似ている
がっちり作り込んで、日常と違った自分に変身し、注目をあび、快感を覚えるということ。
特にアラフォーともなると、メイクバッチリ、ボディメイクしっかり、・・・もはや女装。
昔、オカマの友達に「30過ぎたオンナなんて、オカマと同じよ」と言われたあの言葉が胸に迫る。
これまさに「女装は癖になる」方式だと身をもって体感した、ブライダルフォトであった。
ーーーーー
でもね!
たとえ何歳でも、着たいものを着るのがいいと思いますよ。ブライダルもコスプレも女装も。
違う自分に変身することはとてもエキサイティングであります。
(おしまい)