たまには精神を優しく凌辱されたい!退廃的リゾート・タンジェを歩く
モロッコのフェズから、鉄道を使って陸路で「タンジェ」へ行きました。
タンジェ(タンジール)は文学や映画、芸術をかじった者からすると、ほんのりと憧れを抱く街。
ポール・ボウルズ、バロウズ、ギンズバーグetc...、世界でいちばん「知的な不良たち」が集まった場所として知られている。
たいがいタンジェについて語りを入れているのは、まず男性が多い。
なんていうかね、馬鹿な男が好きそうな街なのよ。
( ´,_ゝ`)プッ
男のわけのわからないロマンをブワァーっと掻き立ててしまう要素がギューっと詰まった街なのよ。
大西洋と地中海の交わりだとか。
富豪とか貧困とか。
スパイだとか娼婦だとか。
貿易(表)と密輸(裏)だとか。
画家だとか文学者だとかビート詩人だとか。
そういう私も冒頭部分で既にこれだけタンジェを語っているので、私もいわゆる「男成分」が多めの女性ということなのだけど。
( ´_ゝ`)
つまり少しでもそういったフィルターがかかっている人には、とんでもなく酔える場所・・・それがタンジェ。
フェズから新幹線でタンジェへ
私たちはモロッコのフェズから電車&新幹線でタンジェ入り。
当初私はモロッコでの電車移動がなんとなく不安だったが、モロッコの鉄道は意外にもかなり快適だった。
鉄道員さん達もとっても親切で(惚れそう)、駅の作りも大変わかりやすく清潔。全く問題なかった。
タンジェ駅前には、ツーリストに声をかけてくるタクシーがたくさんいた。
ホテルまでの料金を尋ねてみると、事前に調べていた額よりもかなりボッた額の提示!
モロッコではUberは使えないが、Uberみたいなアプリ「Careem(カリーム)」があるので、事前に準備しておけば問題なく使えた。
地の果て感が人を静かに狂わせる街
タンジェは不思議な街。
浮遊感がハンパない。
過去には国際管理都市として繁栄し、享楽的で退廃的な芸術家たちに愛された街・・・ということだが、他のモロッコの街と比べてわかりやすくキャッチーな観光の目玉はない。
だから、なんの思い入れもなく訪れた者にとっては、全体的に古びていてこれといった特色のない港町としか映らないかもしれない。
反論されることを承知で言えば、日本で例えたらロケーションで言えば熱海が近く感じるかも笑。
芸術家たちに愛された時代はとうに過ぎた今でも、白昼夢的な魅力がいっぱいな何か特別な街に、私には見えた。
空気が、街並みが、晴れた空との対比がけだるい。
何もせず、何かひねくれたことを一日中考えている人に向いている街。
タンジェの中心、グラン・ソッコ広場。
新市街と旧市街を結ぶヘソ的広場だが、人は多くも少なくもなく中庸な感じがまたふわっと感を醸す。
旧市街はヨーロピアンな雰囲気とエキゾチックさが入り混じり、散策しがいがあった。お土産屋エリアもあり、客引きも多いけど。
夜、ホテルのプールサイドも・・・
恵まれたローケーションのようで、どこかちゃちなセットのような・・・なにこれ、・・・夢?
ああもう。
私、ここに滞在して、プールサイドで日がな一日小説でも書きたい。
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日本でルーティンで働いて、親孝行して、人に迷惑をかけないようにして、がっかりさせない期待に応えて素敵に楽しいいつもの自分を、優しく凌辱されてみること。
まともな思考で考えることに慣れきった大人にこそオススメしたい、タンジェ街歩きでございました。
次は、タンジェの目玉スポットを紹介するよ!
(続く)