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【漫画】高野苺「orange」 王子様以外ともハッピーエンドになれるのが現実。
久々にコッテコテの少女漫画読みました。映画化、アニメ化もされている話題作・高野苺「orange」。
あらすじはざっとこんな感じ。
ヒロイン・菜穂。
ある日、未来の自分から、高校生である現在の自分に手紙が届く。
その手紙には、大好きな同級生男子・翔が近い将来自殺するから全力阻止せよと書いてある。
翔が自殺する気がなくなるように、事細かにああしろこうしろと、未来の自分が司令をよこしているのだ。
果たして菜穂と仲間たちは、翔を救うことができるのか?
・・・的なお話。
ちなみに、この手紙を送ってよこした未来の菜穂は、同じ仲良しグループにいた他の男子(翔の親友)と結婚しちゃってます。
大好きな翔がおっ死んだから…(^q^)
さて、orangeには、少しSF要素があります。
パラレルワールドが存在し、手紙の主は、並行して存在する別の世界の未来の自分だという設定。
パラレルワールドが存在するという前提で成り立っているので、なんと「好きな男」とも「その親友」とも結ばれる結末パターンがそれぞれ存在しているわけです。
少女漫画のヒロインは1にも2にもピュアで一途であることが求められる。
よって2人の男とくっついたりしたら読者の乙女たちにボコられるため、普通、ヒロインは必ず1人の王子様としか結ばれない。
でもOrangeは、言うなれば王子さまENDと、召使いENDの両方が同じ強さ・尊さで描かれているのです。
これ、ちょっと新しい。
基本、少女漫画の世界では、親友男子にはグラつくことはあっても、そいつが繰り上げ当選することはほとんどありませんからね。あっても当て馬。
(Orangeでは、ヒロイン菜穂は翔の親友男子と結婚して子どもまでこさえちゃってますwww)
美味しんぼで言ったら、山岡さんが死んじゃったから岡星さんと結婚して子ども作る栗田さん、みたいな感じよ。(←少女漫画じゃない)
話戻って、パラレルワールドが存在しているということなので、過去の菜穂が翔を救えたとしても、手紙を送ってきた未来の菜穂の世界が変わることはありません。
それはそれで「そういうパターン」の人生として完結。RPGと同じですね。
切ないわぁ・・・(´・ω・)
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にしても、大人になってからこういうものを読むと、割と人間って後から「好きになる」ものをコントロールできるんだよなぁと思う。
とにかく「絶対王子様」が重要な少女漫画的にはご法度だが、実際には、王子がダメならその親友と付き合ったらいいんですよ( ´,_ゝ`)
どっちと結婚しても、結果的にまあ幸せっていう。
Orangeに限らずよく漫画や映画では、「俺はしょせん○○の代わりなのさ・・・」と卑下するシーンがありますが、何かの代わりになれるって結構すごいこと。
お肉がなくても、空腹ならば大豆ハンバーグで十分美味しいものですよ。
皆、そうやって強く生きていこう(`・ω・´)
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ということで、高野苺「Orange」。
基本的には痒くなるくらいの青春ラブストーリーですので、少女漫画に免疫のない人にはオススメしませんが、私はこういうカマトトぶった少女漫画を読んで悶えるのが好きです。
ちなみにSF要素はパラレルワールド説くらいで、あとはほぼ無いですwww
ヒロイン菜穂は、引っ込み思案で地味キャラなのにイケてる男子たちにモテモテというのも、王道でイラついて楽しいですよ!
(おしまい)