漫画「ダンス・ダンス・ダンス—ル」と大谷君と羽生君と現代の天才
2018/10/14
大谷くん、すごいわね〜。
オリンピックの羽生くんもすごかったけど、こっちも本当にすごいわ〜
↑昼下がりのBBA OLの会話です(もちろん自分も含まれます)
ところで私、最近ジョージ朝倉の「ダンス・ダンス・ダンス—ル」というバレエ漫画を読んで、ふと「天才」について思いを馳せていたところなのよ。
バレエやスポーツ。それは才能で勝ち負けがほぼ決まる世界
バレエ(やプロスポーツ)の世界は、「持ってる条件」が「才能」に直結してカウントされる世界。
バレエだったら、痩せているかどうか。柔軟性があるかどうか。背が伸びるか。背が伸びすぎないか。筋肉の質がしなやかか。ヨーロッパ圏に生まれたか。二十関節かどうか。etc,etc...
バレエ漫画「ダンス・ダンス・ダンス—ル」の主人公・村尾潤平は、身体能力や肉体的な部分の点ではバレエの大天才の素養をもっている希有な男子。
ひとことで言うと、典型的な無頓着・無自覚系の大天才ヒーローキャラ。
(過去の類似例:北島マヤ、孫悟空など)
ただ、村尾潤平は、バレエを始めたのが中二と遅い。
その時点で「環境と条件がものを言う」バレエの世界では「天才」からは振るい落とされているという。
このバレエの世界では致命的なブランクを、大天才(潤平)がどのように超えていくか・・・という話になりそう。(つまりは今後も目が離せないということです)
もちろんダンス・ダンス・ダンス—ルには魅力的なライバル達がいて。
ロシア人とのクォーターで子供の頃から徹底的にしこまれている「るおう」君。彼は「ガラかめ」で言うところの姫川亜弓さんです。
↑ドラゴンボールで言ったらベジータ。クールな王子様キャラ。
そして、ほどほどの才能と明晰な頭脳で、ライバル達との心理戦に長けている海咲くん。(脇キャラにつき画像なし)
こちらはそうねー、ガラかめで言ったら乙部のりえ。(海咲の画像無いから、乙部のりえをお楽しみください)
このように、「これは漫画だから」個性豊かなキャラクターがそれぞれの役割を持って登場しているが、実際の世界でもこういった布陣で競い合うことはリアルにある。
面白いことに、一番才能のある人に限って戦略がダメダメだったりして、2番手のほうが自分の実力を実力以上に持っていくのが上手だったりする。
そして「一番才能を持っているやつ=その才能を100%うまく使いこなせない」というのは現実の世界でも、ある意味セオリーだと思う。
大天才というのはいつだって無自覚で無頓着だから、大成功もするが失敗もデカい。安定しない。だから名を残さないで消えていったりもする。
むしろ持っている武器がデカすぎて、時にその武器が自分をも壊すのが大天才の証なのかもしれない。
「現代の天才」は北島マヤ+姫川亜弓+乙部のりえのハイブリッド型かも
上で書いたように、「漫画の世界でさえ」”天才”とは、ありあまる才気で自らをコントロールするのが難しいはず。
なのだが・・・
最近の天才はどうも事情が違うように思う今日のこの頃。
冒頭で書いた大谷くんも羽生くんも、身体能力・体格的にはもちろん「大天才」の部類で。
そして本来、無自覚で自分のチカラを制御できない「大天才」であるにも関わらず、彼らは非常に客観的にクレバーに自己分析して戦略を練ってコントロールしているタイプに見える。
しかも試合だけでなく、マスコミ対応ファンサービスまで、余裕すら感じる立ち振る舞い。
は、ハイブリッドや・・・!
スポ根漫画の世界にさえ、そんなキャラクターは居ない。
出来すぎていて、物語にもならないからだ。
なぜ最近にきてハイブリッド型選手が生まれているか?
スポーツの世界はよくわからないが、私としては彼ら世代が「デジタル・ネイティブ」というのは大きいんじゃないかなという気がしている。
才能がずば抜けている土壌の上で、生まれたときからありあまる情報の取捨選択をしてきた若い世代。
ネットの中で、あらゆる過去のデータや他人の世界を引っぱり出して閲覧してきた、私たちの世代とは比べものにならないほどの「要領のよさ」をあらかじめ身に付けている世代。
それこそ「事実は漫画より奇なり」で、これからは身体能力にプラスして分析力、客観性、コントロール力・・・あらゆる場面での自己プロデュース力が、大天才の条件になるのかもしれない。
すごい、すごすぎる。
現代の天才は、レベルがとんでもなく高いと感じているオールドタイプの私なのでありました。
あっ、「ダンスダンスダンス—ル」はとにかく面白いので読むべし!
(おしまい)