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【読むべき漫画】沖田×華「透明なゆりかご」が最近話題!
今までも何度かバナー広告でホイホイされたことがあるが、今回もずっと気になっていて遂にやられてしまいました。
めちゃコミック(今や全国区でCM打ってるが、元々エロ漫画サイトだったような)に課金して読みましたよ!沖田×華「透明なゆりかご」を。
一言で言って、沖田×華で泣くとは思わなかったよ。
漫画サイトやAmazonでもびっくりするほど好評価、漫画を普段読まない人にもオススメできるノンフィクション系。
特に子を持つママは相当(いろんな意味で)グッとくる作品かと思いますが、妊娠・出産の予定のないワタクシでも大いに楽しめましたよ。
ということで沖田×華「透明なゆりかご」のワタクシ的感想をば、軽くまとめました。
産婦人科で巻き起こる出産(中絶も)にまつわるドラマが淡々と描かれる
本作は、作者の×華が見習い看護師だった頃に、産婦人科で起こった実話をもとに描かれた「ノンフィクション系まんが」。
人工中絶後の「命だったカケラ」を火葬業者に手渡すことは、見習い看護師である作者の日々の仕事(キッツイ仕事だ)。
また、産婦人科では珍しくないこととして、さまざまな修羅場、捨て子、幼児の性的虐待なども、淡々と描かれている。
言われてみれば当たり前だけど、産婦人科っていちばん、男女のドラマ・女の生き様・人間の酷さ美しさetc.がダイレクトに垣間見える現場なのよね。
(究極に身近で、究極に命がけのイベントだと改めて実感できます)
一見、産婦人科ならではのドラマだけど・・・
確かに、産婦人科ならではの「いろんな命のドラマ」が描かれている。
それは一見「さすが命の現場。よくぞこんなドラマが次々と!」というエピソードばかり。
でも一歩引いてみると、実は私の生きている毎日も同じで、このように淡々と、残酷なことも優しいことも流れていることに気づかされる。
つまり出産を経験した/する人たちだけが共感する漫画ではなく、生きていくとはだいたい、そういうことなんではなかろうかね?
変な話だが、×華が人工中絶の後始末をある程度作業的にこなしているシーンは、私の日常で言ったら「人身事故」みたいだな、と感じました。
電車に乗ろうとしたらアナウンスで「○○駅で人身事故のため、電車を見送っております」と流れる。
誰かが死んだのだ、と一瞬思わないでもないが、家にすぐさま帰れないことのほうが大問題。
電車を待つ人々の流れは変わらず、それが何だか残酷な感じがしないでもないが、よくあることだし、いちいちココロを動かしてもいられない。
ねえ、何だか似てませんか?
作家として一皮むけた沖田×華氏!ありがとう×華!
ワタクシは沖田×華さんの本は、以前に「毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で」をサラリと読んだのみ。
「アスペルガーで〜」は私にとっては数あるノンフィクション系まんがの1つで、アスペのお勉強として興味深く読んだが、ぶっちゃけ作者に興味は湧きませんでした。
(そのせいか、内容もあまり憶えていない。ゴメン、×華。)
たぶんこの「透明なゆりかご」で相当に沖田×華氏の読者層は広がったと思う。
レヴューを見ていると、普段漫画を読まない女性層にも、きっと相当広がっているよね。
「透明なゆりかご」は何というか、以前の作品で感じた「あたしはこうよ」的な作家の変なトンガリみたいなものが見当たらなかった。
多分、純粋に1人にでも多く読んで欲しいから、ちっちゃな(けど捨てきれない)エゴを捨てたのだと思う。
もちろん、この漫画がウケたのは「産婦人科/出産」をテーマに取り扱ったのはデカいが、沖田×華が読者に寄り添った目線で描いたのも、名作になった大きな要因ではないかしら〜。
私はこういう作家の変化、大好きですね。
すっげー、大きくおなりになったなあ〜と感じるのです。
結局、削ぎ落として残ったものが、ホンモノの独自性なんですね・・・。
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そんなこんなで沖田×華「透明なゆりかご」オススメです!
ちなみに重いテーマのわりに絵がいい意味でへにょへにょなので、あまり抵抗なくスルスルと読めるのもイイですよ。
私は家の漫画在庫をこれ以上増やせないので「めちゃコミック」に課金して全話読みましたが(45話×50円=合計2,250円)、Amazonでコミックスを買ったほうが1冊463円×3巻=1,389円)で、お安いです。