文系オトナギーク女子

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コラム・思うこと リアルなハナシと人間模様

結婚は「夫以外とは一生セックスしません」という契約 by上野千鶴子

2017/02/16

上野千鶴子さんをご存知だろうか?

フェミニスト/社会学者にして東京大学名誉教授という、女性学の世界の生きるレジェンドです。

モード女性誌「GINZA」2016年9月号で、その上野千鶴子さんと、ミュージシャンの岡村靖幸さんの対談が掲載されていました。

 

 

上野さんを知らない方に、例としてこれまでの上野さん語録を挙げますと、

 

「お◯んこ、と叫んでも誰も何の反応を示さなくなるまで、わたしはおま○こと言い続けるだろう」

せ、先生!!
ちなみに、ちんこ、と叫んでも誰も何の反応も示さない世間ではないと思います!

 

「会社組織とは「男vs男」の官能小説である」

せ、先生!!でも言い得て妙ですね!

 

「あなた、心許せない人(=ダンナ)を相手に、パンツ脱げるの?」(夫と心の距離が出来てしまった主婦に向かって)

せ、先生〜!!もう、やめたげてよぉ!

 

 

・・・などなど。千鶴子めっちゃクールwwww

 

これだけでも、上野千鶴子さんの痛快で舌鋒鋭いイメージはお分かりいただけたかと思う。

 

GINZA誌上では、
「結婚したい。ある程度の束縛が幸せに繋がるのでは」と感じている岡村ちゃん

 

vs

 

「人の自由を奪う結婚という契約はおぞましい」と考える上野千鶴子さん

 

 

簡単にまとめると、こんな図式になっていました。

 

 

そもそも私、何となく「フェミニスト」って苦手なイメージなのです。

(↓私的・フェミニストのイメージ。怖い。)

Femen_(6890664112)

 

 

しかし上野千鶴子さんのジェンダー論・結婚についての考えは面白く、またある意味、現実をわかりやすく伝えてくれています。

 

まあ、かなり身も蓋もないので、「それいっちゃあ、おしめえよ?」という内容でもあるのですが。

 

ということで、本物のフェミニストが考える女性の権利とは何か?GINZA誌上で話されている上野千恵子センセのお話をまとめてみました。

 

 

「一生ダンナ(または妻)以外とはセックスしません」という無理のある契約をすること、それが結婚

 

千鶴子さんが20代で結婚した人たちに「なぜ結婚したの?」と聞くと、みなさん「その時はそう思った」ということでした。

つまり、後先は考えず頭に血が上った状態で、最初から守れない約束を平然としているということ。

 

「家族になったら性欲が湧かない」というのは自然な摂理なのに、なぜか人は一生ものの「他の人と性交したらアウト」な契約を結びたがる。

 

そして、相手がそれを破ったら「ルール違反!」。

己もルール違反の狭間で悩み、人によっては法を犯す行為に走る(つまり浮気・不倫する)。

 

それなのに結婚をする意味がわからないと千鶴子さん。

 

 

まあ、昨今の不倫に走る男女の多さを見ても、元から「結婚」が人間の性質に不自然な制度だというのはもうわかってることよね。

 

私としても、「どうすれば不倫がなくなるの?」という問いへの答えとしては、「人間の性質上ムリ」とか「結婚制度じたいを多夫多妻制に見直す」しかないと思っています。

 

それとも、表向きは「不倫はダメ」と謳っといて、裏でバレずに上手くやってね、という暗黙ルールでいくしかないのかしら?

(↑現行、世の中ってこうなってるよね)

 

 

 

誰かが自分に対して所有権を持たず、愛したい人を愛したいように愛する

 

上野千鶴子さんは、人を愛することには、どんな契約も強制も介在させないのがベターだと言う。

結婚をしていても、人を好きになる感情は防げないと。それを努力して抑制しなければならない、なぜそんな契約を結ぶのか。自分から好んで縛られたいのか、と。

 

 

とにかく千鶴子さんは、自分の身体の所有権を他人に譲渡するという契約がおぞましいとのことです。

 

 

私も独身ですが、そういう気持ちはどこかにあると思います。誰にも所有されたくない。

 

 

かといって、私が千鶴子さんに完全同意かというと、あそこまではサバけられないのでやはり自分は保守派です。

 

 

この対談で岡村靖幸さんは「永遠の約束なんてナンセンスかもしれないけど、安心はしたいんです…」と言っていた。(彼も結婚はしていない)

 

ああ、私も岡村ちゃんに近い「煮え切らない自由人」だわ・・・

 

初めて岡村ちゃんと意見が合いました。

 

 

 

結婚とは、「安心したい人」が入る保険。
ただし、この保険会社は不良債権を出しているのが明白

 

千鶴子さんが結婚した人々をリサーチしてわかったのは、人は結婚という“保険”に入りたいのだということ。

 

この保険は、周りを見てみればわかることだが、不良債権を出してきている。「当てにならない保険」で、幻想そのもの。

それが幻想だと分かっていても今安心したい。それが人間の弱さだと。

 

 

千鶴子さんは、自分に保険はかけたくないと思って今まで生きてきたそうです。

 

それに対して、岡村ちゃん的には、幻想かもしれない「幸せ(=結婚)」に身を委ねてみたい、と言っている。幻想とわかっていても、血迷ってみたいと。

 

 

これは、岡村ちゃんのほうが、かなり一般的な感覚かと思う。

 

千鶴子さんの言っている理屈には深く納得だが、ほとんどの人は感情がついていけないというやつだ。

 

千鶴子さん、ホリエモンとかと話が合うんじゃないかしら?w

 

〜○〜○〜○〜○〜○〜○〜○〜○

 

そんなこんなで、上野千鶴子さんのような結婚についてバッサリと言い切る社会学者の意見を聞くと、ワタクシの自由を愛する度はまだまだヌルいということがわかりました。

 

 

この抜粋だけだと、上野千鶴子さんがまるで権利や主義だけ主張している鉄のオンナに思えてしまうかもしれませんが(実際それに近いがw)、対談ではちゃんと柔軟な部分も見せてくれてますよ。

 

「こういうことを唱えていると「フリーセックスか!」と言われるが、それ以前にちゃんと付き合うに値する、尊敬できる相手と丁寧な付き合いをするのは当然

 

「“上野千鶴子、電撃結婚!”もあるかもしれないし。何が起きるかわからないのが人生の面白さですから」

 

やっぱ先生、素敵にさばけたツワモノですわ〜。

 

皆さんも、一度、結婚という制度自体について考えてみてはどうでしょうか!

 

なんつって。

 

 

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