資生堂インテグレートCM炎上に思う、表現活動の未来はどこに行っちゃうのかしら?
資生堂インテグレートのCMがネットで「セクハラ!」と炎上、放送中止となった。
CMは説明するとだいたいこんなん↓
<第一弾・25歳バースデーパーティー編>
25歳を迎えた主人公女子。
女ともだち2人から「今日からあんたは女の子じゃない」「チヤホヤされない」「もう可愛いという武器は使えない」とガールズトーク的にからかわれ、自虐し合い。
最後は3人で「アプデされたいい女になろ!」と誓うのであった。
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「女性の価値は若さとかわいさだけってこと?」などなど、フェミ激おこwww
<第二弾・がんばってるを顔に出さない編>
PCに向かってパンを食べながら仕事に打ち込む主人公女子。
そこに男性上司が「(頑張っている様子が)顔に出ているうちは、プロじゃない!」と一言。
後日、メイクを変えた主人公の凛とした大人の女性の顔に、その男性上司がハッとして振り向くのであった。
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「セクハラじゃん」「へー女は仕事ができても疲れた顔してるとダメなんだ」などなど、フェミ激おこwww
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賛成意見も結構あったらしいが、最近の風潮として、こういう時は批判のほうを企業側は配慮するので、結局は放送中止となったそうな。
参考までに批判の一部ね↓
えっなんでまだこの価値観??? 今昭和???→インテグレート pic.twitter.com/4NXTsAwyNz
— 黒服27号 (@kurohuku27) 2016年10月6日
インテグレートめっちゃ使ってるのに、すごく悲しい…なんであんな不愉快なCMに
— さや (@uu_jkt) 2016年10月6日
と、このように、それなりに多くの人がコレは時代錯誤で不愉快だと感じたらしいです。
さまざまな角度からさまざまな考えが巻き起こる事案ですが、ここではワタクシが企画という仕事目線中心で、感じたことを綴ろうと思います。
え、このCMなんでそんなに叩かれんの?表現狩りなの?
私の企画という仕事目線での感想だと・・・
どちらも、今の20代女性の等身大の心理を上手に表現したCMだと思った。
第一弾のバースデー編は、実際にそんな会話が交わされる女子会ってのが容易に想像できる。
20代の子たちが現実的に前をみて「このままじゃあかん」「ただのババアになってまう」と決意を新たにするなんて、とっても良いことじゃねーの?
それを思い直すキッカケが25歳のバースデーってことでしょ。
それを「女は25過ぎたら価値がないっていうのか!」と読み解くなんて、どーゆー育ち方なさっているのかしら?
どーせあれだろ、文句言ってるのはインテグレート世代より上の女たち(すなわち俺ら)じゃろ?
いや、ああいう会話にイライラするのもわかりますよ。てか、正直言って若い女の集まりってだけで妬ましく、多少イラッ☆としますからね(ニッコリ)。
でもアタシはそういう感情は生理現象として素直に認め、間違っても歪んだ方向の理屈をつけて叩くなんてことはしたくないですね。
で、特に批判が集中している第二弾。
これも、基本的には心当たりある女性が多くてドキッとさせられる、そういう意味では良いCMだと思う。
女性って「疲れてる?」とか言われると結構ショックだもん。そんなひでー顔してたのかなって。
でも、これだけパワハラだセクハラだ・女性の権利だなんだと叫ばれてる昨今、このCMは言葉狩り・表現狩りの的にされる要素は多分に含んでいる作りになってしまってるな、とも思う。
「見ようによっては」でいくらでも重箱の隅をつつける世の中だから、傷ついた、不快な思いをしたという人がいたらアウト。
そう思う人が居る以上、そうなってしまう。
つまり受ける側が「そう感じなければ」セクハラにならないのであれば・・・
上司役をおディーン様などにして、「ああん♡アタシも優しくたしなめられたい♡」とババア共に思わせるような作りにすれば良かったんじゃないでしょうか。
(それだとCMの意図が完全に崩壊するが)
資生堂は今の時代のハイブリッドな女性たちを映したCMを作っただけ
資生堂たるもの、もっと先鋭で「自分は自分」というイメージだったのにこんな昭和なCM作るなんてガッカリ、という意見もある。
確かに一連のインテグレートのCMは、「自分を強く持つ」女性像というより、「周りが思う“キレイ・カワイイ”になろう」という雰囲気になっている。
この騒動で知ったけど、昔はインテグレートもアンジェリーナ・ジョリーを起用してたりしてたんだね。
でも、私の感覚だと、今のフツーの子たちに必要なのは、それこそアンジーの流し目じゃないのではないだろうか。
ま、アンジーじゃなかったとしても、手の届かない美しさを追い求める時代じゃねえな、と。
思うに、今の20代以下は、どんどん器用になってきていると感じる。
女性も、男性以上に仕事をがんばる。かといって必要以上に強くならず、可愛くキレイでいることも器用にできる。
気負わずナチュラルに、色々なことが両立できてくる世代なんじゃないの。
それを、カワイさを多少強調したからといってぶっ叩かれるってのもねぇ。。。
とにかく私としては、インテグレートCMで表現されていることは、トクベツに時代錯誤とは感じませんでしたね。
今の20代たちは、女性っぽさ男性ぽさを乗り越え、女性性の利用できるところはうまく利用して、スルスルと器用に泳いでいるって印象だから。
セクハラと取られかねない話の流れにしたのだけマズかったというか、勿体なかったとは思うけど。
もはや発信よりもツッコミのほうが強くなっちゃった昨今。
何かを表現する際に、多少オーバーな表現をしないと、それは人々の心に広く・早く浸透して行かない。
なにひとつ残らない平坦なものになってしまう。
インテグレートCMは、ターゲットの女性が一人でも多く引っかかるように、ストレートな言葉選びやキャスティング(憎たらしげな上司含め)を、ギリギリの線で模索したものなんだろう。
ま、結果的にはギリアウトだったということになっちゃうんだが。
企業や個人が発信するものに対して、ツッコもうと思えばいくらでもツッコんで揚げ足とれる昨今。
てか発信よりツッコミのほうが強くなっちゃってる昨今。
この先の表現活動は、平坦な、毒にも薬にもならないものだけが残っていくのかしら?
それともその穴をかいくぐったアタラシイ表現が生まれていくのかしら?
私は、後者に期待したい。