文系オトナギーク女子

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リアルなハナシと人間模様 広告/マーケ論

「ニュー生茶」はペット緑茶界のサードウェーブ系? ペット緑茶のブランディングを分析してみた

2017/12/16

 

コーヒーが飲めない私は、自他とも認める日本茶ラー。

 

そして企画屋的には、「ペット日本茶」の広告・ブランディングが最近気になります。

特に生茶のリニューアルから、だいぶ生茶が盛り上がっている感じですね。

 

 

ペットお茶にも、各社のちょっとした差別化に世相が現れていて面白い!

今日は、ブランディング〜広告の観点から見たペット緑茶各社の主張、私なりにまとめてみようと思います。

 

 

「伊右衛門」「生茶」「綾鷹」を分析してみた

 

今回、ブランディング的な目線で比べてみるのは、以下の3ブランドです。

 

エントリーNo.1 サントリー伊右衛門

モックンと宮沢りえ扮する福寿園お茶職人夫妻イメージの刷り込みにより、いち早く「ペット緑茶のブランディング」に大成功した「伊右衛門」。

画像:SUNTORY

 

エントリーNo.2 キリン「生茶」

オワコンだったのに昨年2016年のリニューアルで全く別物として不死鳥のようによみがえった「生茶」。生茶パンダどこ行った。

画像:KIRIN

 

エントリーNo.3 コカ・コーラ「綾鷹」

そして「なんだかんだで一番美味い」と安定のファンを持つ「綾鷹」。

 

 

特に、去年「生茶」が大々的にリニューアルしてから、俄然盛り上がってきた感じですね。

 

あ、ペット日本茶といえば「お〜いお茶」もありますが、なんかもう独自路線で殿堂入りしてる感あるので、今回は言及しません笑。

 

 

 

ブランディングの分かれ目は「和モダン」か「フツーの和」か

 

さてこの3ブランドをブランディング的にざっと棲み分けると、ワタクシ分析ではこんな感じです。

 

イメージ戦略的には、ざっと「和モダンチーム」と、「ふつーの和チーム」に分かれます。

 

今は、ディスカバージャパン的なものがモテはやされている時代なので、やはり一番最近リニューアルした「生茶」は完全にモダン寄りに振り切ってますね。

 

 

ところで「和モダン」と「フツ—の和」ってなんか違いがあるのかって?

 

わかりやすく言うとこういうことですかね。

 

そもそも日本のプロダクトってファンシーさが無いと売れないものだったんですよ。

 

昔、ナンシー関が「日本はファンシーとヤンキーで出来ている」って言ってたけど、まさにその通り。

 

特にスーパーマーケットで売るには、洗練され過ぎず、ちょっとゴチャゴチャしていてややドン臭いテイストが必須だったんです。それ位が落ち着くっつうかね。

 

天下のコカコーラ社はやはり「みんなにポピュラー」であり続けてきただけあって、「綾鷹」もその王道感が秀逸です。いいダサさです。あれが一般的に老若男女に届くものだと思います。

(ちなみに個人的には飲み物的に一番好き。ていうか綾鷹ばっか飲んでます)

 

具体的にいうと、綾鷹の背景には意味不明な線とペット飲料以外では使われなさそうなドン臭いグラデーションが入っているでしょう? ←褒めてます

 

これが日本のスーパーでは手に取られやすい、王道のデザインなのです。

 

 

 

「生茶」はペット緑茶のサードウェーブ系?「背景は白」がポイント

 

ところが。

ここ数年で時代は急激にシャレ乙に変化いたしました。

 

 

食やライフスタイルの本格志向化が進んだ(老舗の伝統、日本の食文化などがもてはやされるようになった)

 

食品がおしゃれで洗練されていても一般層に売れるようになった(それまでは、一定のダサさ=安心安全なイメージに繋がっていたのでオシャレすぎると売れませんでした)

 

 

そんな流れを汲んで、「伊右衛門」のような洗練された雰囲気かつ、ディスカバ—ジャパン的なものが支持されるようになったのよね。(もちろんCMの上手さもあり)

デザイン・ブランディング要素をまとめるとこんな感じかな↓

 

伊右衛門はんのデザイン、ブランディングに関してはそんなところかなと思う。

 

この流行は今も継続中だし、さらに洗練されたものになってきています。

 

 

そして、さらにさらに時代がすすんで、今は本格志向な食〜雑貨までを含むセレクトショップが大流行時代に。食品にも雑貨感というか、ファッション的な要素が反映され始めてきたわ〜。

 

そんな風潮も組みつつ、リニューアルされたのが新しい生茶

 

生茶が産まれた背景の時代要素は、まとめるとこんな感じかしら。↓

 

 

CMの波瑠さん使いも、ユニセックス〜さっぱりナチュラルな女性寄りでとても上手いし、CMも広告も白背景であえて無機質なのが今っぽい。

 

ボトルの形状も、海外の瓶ビールのような大人っぽい形状に。

 

広告で使っているフォントが和では使いがちな明朝体ではなく、キレイめなゴシック体てのも注目。このへんも、和に寄りすぎないサ〜ドウェ〜ブ的なものを意識してると思うわ〜。

 

 

味もさることながら、こういった時代の変化を読み取って素晴らしいバランスで取り入れた生茶の施策はヒットして、売上はそうとう上がったんだよね。

 

 

 

だけどアタシ的には、綾鷹がナンバーワンな理由

 

なんていう切り口で見て行くと、「綾鷹」がまるで古いモンのように感じてしまうかもしれませんが・・・

 

あたし・・・正直、綾鷹がいちばん旨いと思うのよ。特に「にごりほのか」は名作。

 

(って、ここからデザイン/ブランディングの話ではなく、急に味の話になってゴメンwww)

 

 

伊右衛門・生茶は、たぶん味にもインパクトと個性を重視しすぎている部分があって、一発目は「うまい!」と感じるのだけれど、冷静になると「これ、私の知ってるお茶の味やない」となります。

オシャレさにはダマされねーぞ!!

 

そこいくと綾鷹は・・・

 

・謳い文句の通り、急須でいれたお茶をそのまま冷ましたような味がして和む

 

・どの温度で飲んでも飲みやすい(生茶、伊右衛門は常温だと飲みづらいっす)

 

て感じかな。

だから、コカコーラ様には是非、流行に乗ってニュー生茶系のねっとりした味わいにしないで欲しいのよ。

 

綾鷹よ、君はそのままでいいんだよ…。

それが、全国数万人の綾鷹ラヴァーからの、お・ね・が・い。

 

 

ーーーーーー

ちなみにウチの呑んだくれの意見ですと、「“ニュー生茶”は濃いから、緑茶ハイにしたら良さそう」とのこと。

 

一理ある気もしますが、まあ酒飲みの理屈なんて、実際は酒が飲めればいいだけなんで、これは話半分に聞いておきましょう。

 

 

以上、ペットお茶御三家について分析でした(2017年版)。

異論は認めるわ。

 

(おしまい)

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