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「子の無い人生」はどんなものか
子のいない人生。ってどう思いますか?
私の周りの親も親戚も子あり女友達も、子どものいない人生など考えられないと、口を揃えて言います。
私自身も、年老いていく自分や親、親戚を見るにつけ色々と思うことも。
頭では、もちろん産めたら産んでおくのがいいとはわかっているのだけれど。。。
それは30代〜40前半子ナシ女性ならば一度は持つ闇なんであるが、この度、酒井順子さん著「子の無い人生」を読む機会に恵まれましたよ。
上からでも下からでもなく、とてもニュートラルに親しみやすく語っておられて心地よかったので、いくつか取り上げてみたよ!
◯子ども嫌いについて
世の中には「自分より年上の人が得意」というタイプと、「自分より年下の人が得意」なタイプがいるという。
独身子ナシの酒井さんは前者で、もちろん私(同じく独身子ナシ)も前者。そして子どもが苦手。。。
リアルだなと思ったのは、「子ども嫌い」な人間は、友人の子どもに接するときなどに「子ども扱いテクのなさ」が露呈してしまうというところ。
酒井さんも、子どもをあやすのに一通りのことはしてみてあげるものの、どうにも恥ずかしいと。
「本当は子どもが苦手なのに、善人だと思われたくて無理して頑張っている」のがバレバレに・・・ということだ。
わかりすぎて泣ける。笑
◯子ナシの私を葬式に出すのは・・・姪(または甥)?
ひぎゃー考えたくない。
しかし、甥や姪になるべく迷惑かけないように、お金だけはしっかりしておこう・・・。
そして酒井さんも言っていたが、お兄さん夫婦に子どもができた瞬間、「よくやった!!親に孫を見せる任務完了!(なら私は、いいよね)」的に思ったそうですが、全く同じような安堵感を私も覚えました。
(スマン、姉。そして甥、姪。なるべく迷惑かけないよう頑張リマス)
◯沖縄では、未婚で死んだ女は実家の墓に入れない
この本一番の衝撃であり、また、冷静に人の世とは面白いと思った部分であります。
沖縄では、嫁に行かずに死んだ女は実家の墓には入れないという風習が未だ根強いらしいです(驚愕)。
もちろんバツイチ出戻りもダメ(°д°)
理由は酒井さんの取材により色々かかれてありましたが、ここでは割愛。
簡単にいうと、儒教の影響を受けたものであり、家族=子孫繁栄が何よりも大切だった時代の価値観のなかで育まれた風習ですね。
とにかく未婚で死んだ女は縁起が悪いとされ、位牌も仏壇に祀ることができない→寺で供養してもらうとかするそうな。
簡単にいうと未婚の女は相当タブー、アンタッチャブルな存在だったんやね・・・
(´;ω;`)ウッ…
今現在は、そういった問題は根強くあるものの、若い世代の人々はその時はその時、とライトに考えているっぽい感じです。
まあ伝統との共存・付き合いかたに関しては、沖縄人じゃなくてもよくある問題ですね。
「子どもがいなくて、よかった」
40代後半になった酒井さんは、30代後半〜40歳くらいの時の「産めるうちに産まなければ」的な強迫観念を過ぎた今は、しみじみと「(自分には)子どもがいなくて、よかった」と思うことがあるそうです。
(子ありの方々からすると、痛々しく聞こえるかもしれませんが・・・と断っています)
「これでいいのか?」という疑問も「これでいいのだ」という風に落ち着いた、と。
不思議なもので、今まで芸能人や著名人の女性が声高に「私は産まない人生を選んだ!」というのを聞くと、ホントかよ〜と思わなくもなかったですが、酒井さんのそれは「本当にそうなんだろうな」とすっと入ってきました。
酒井さんは本当にさっぱりとした、面倒くさい絡みを好まないタイプなんだと思います。笑。
かといって変にさばけた冷たい感じはしないんですけど。
ちなみに安倍総理大臣も昭恵夫人との間にはお子さんがいらっしゃらないのは、遅ればせながらこの本を読んで知りました(恥)。
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そんな感じで、酒井さんと近いマインドと生活パターンを持った私には、心強いと言ったらおかしいが、ある意味癒される本でした。
私は現在アラフォーで、結婚も出産ももしかしたらするかもしれないボーダーの年齢ですが、気持ち的にはいつも「果たして自分はそれがしたいのか?」と思い続けているタイプなので。。。
(あ、もちろん結婚と出産、子孫を残すことが尊いという価値観は、それはそれでとても理解しています。ていうかできれば自分もそれが自然とできる人間に生まれたかったYO笑)
でも、変に開き直るわけではないですが、今後一人で死ぬ老人は間違いなく増えるわけで、日本に「普通に一人で死ねる」システムが整う日も遠くはないのかも・・・?
とか期待しつつも、やはり子どもが1人いるだけでぱぁっと明るくなる効果を(甥や姪で)実感しているので、基本産めたら産むのがいいんだよなあと煮え切らず生きている私なのでありました。
(おしまい)