野際陽子さんの現代に通ずる人生観・結婚観
野際陽子さんの訃報。
最近、松方弘樹しかり、私が学生時代にTVで見ていた大スター達がそういった年齢になり、寂しい限りだ。
野際さんは、私の世代だと、冬彦さんのやつと、月影せんせー役(←もの凄い再現性w)というイメージ。
TVドラマに疎い私は、それくらいしか知らない。
が、亡くなって改めて、TVでその人生を総括するVTRを見て思いました。
陽子・・・
おれたちの大先輩じゃん(´;ω;`)
おれたち=どちらかというと家庭に収まるのが不向きな、ちょっとアレな女たち。
↑野際さんからしたら一緒にしないで欲しいだろうが、勝手にパイセンと呼ばせていただく
野際さんってば、なんと37歳で結婚・38歳11ヶ月で初産っていう当時としてはかなりの晩婚・高齢出産。←すでに親近感
当時、夫の千葉真一と並んでのインタヴューにて
「長い間一人暮らしでしたから、
家庭の家事っていうのがすごく苦手なんですよね。
主婦の仕事っていうのは色々行き届かないから、
あちこち汚いとか、洋服がそろってないとか
いろんなことで、しょっちゅう怒られています」
陽子さん気さく(・∀・)
今の、家事も仕事もママ業も素敵にこなしてます☆梅酒もおうちで漬けてます☆っていうテイの女優たちより、正直で素直で(しかも陽子さんがあの凛とした話し方で言うと、それすら美しい)、とっても親近感が湧く。
女優と俳優の結婚ですからね。
どこか戦友のような感覚もあったのかなと。
私も自分のパートナーとは、そういった関係を望みます。
ただ陽子さんの年代だと、もっと夫に尽くすのが当たり前の価値観だったでしょうから、当時としてはかなり進歩的な夫婦の形よね。
結局、20年後に千葉真一さんと離婚はするけれど、離婚会見も、2人が同席するスタイル。
離婚に発展すると大概、二度と顔を合わせたくないとうことでw別々に会見するはずだけど・・・
そんな中でも同席会見ということは、色々あってもまあマブダチ、という感覚はあったのかなと予想されますw素敵だww
「彼はいろいろな夢を追って、外に出て仕事をして、
それは凄く私も理解していたし、
とても素敵なことだと思っていたんですけど、
いない時間がとっても長くなると、
私自身が、自分が、千葉真一の妻であるという感覚が、
すごく希薄になってしまうので。
人前というか世間では、
とてももっと濃密な、密度の濃い夫婦であるような、
別にフリがしたいんじゃないんですけど、
そういうふうに思われているということが、
段々自分でこれでいいのかなと、
自分にも、他の人にも嘘を付いている気がしてきて」
「妻であることがヘタな女房だったと、思います」
陽子・・・(´・ω・`)
切ないわね・・・。
もっと適当に、ごまかしごまかし生きていくこともできただろうに。
会見にも、陽子さんの、真面目で潔く美しい、カッコいい生き様が現れているよね。
まあ、千葉真一はかなり女好きそうな顔しているから、その他にも色々あったかもしれないが・・・←邪推
私も、パートナーとはかなりお互い自由で、ある意味ドライに楽しむ生活をしている(から上手くいっている所もある)ので、やや身につまされる部分あるわぁ( ´・ω・)…
そして陽子さん64歳のとき、結婚観をこのように語っています。
「結婚願望は本当になかったですね。
しなくてもよかったんですよ。
今だったらしなかったと思いますね。
今の時代だったらみなさんも自由に同棲なさったり、色々してらっしゃるから。
まあ、社会的な責任として、結婚という形をとらなければしょうがないかなって思って、・・・」
陽子わっかるぅ〜!! ←
これは女性ならずとも、現代の20〜30代がかなり共感できる部分ではなかろうか。
陽子さんのような才能溢れる女性からしても、世間体との折り合いと自己の中での迷いと葛藤があったことが読み取れて一層共感できる。
さらに、
「結婚してから女優という仕事に、すごく意欲が出てきて。
初めて女になったんですよね、結婚したことによって。
それまで男のような生活をしていたわけじゃないですか。
勝手に稼いで勝手に使ってっていう、
本当に、女としての自覚というか認識もないし、
男と本当に同等だと思っていましたから、
そうじゃないと結婚生活で分かって、で、女を演じるということが、また、面白くなってきたのです。」
男のような生活www
勝手に稼いで勝手に使ってwwwww
俺だwwww
俺すぎて辛いwwww
うん、やっぱ人生って、気の向かないこともやってみて、やってみたら新しい扉が開くってことがありますね。
ちなみに陽子さんは出産も経験しているので、同じインタビューで「母」についても語っていました。
きれいごとでは済まない出産・育児を経験したから、こわ〜い姑役などにも幅が生まれたっていう。
やっぱ人生色々やってみるべしやな・・・
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失礼ながら、亡くなるまでは「冬彦さんのドラマに出てたおばあさん女優」という印象しかなかった野際陽子さん。
こうやって人となりを知ってみると、不思議と同世代の女性であるかのように進歩的な、粛々と自分の道を進む「知識の人」という印象にすり替わった。
やはり知的であり続けることは、人を古くしないのだな。
彼女の人生に色々と考えさせられ、勇気づけられました。
ご冥福をお祈りします。
(おしまい)