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「まんがでわかるニーチェ」ニーチェはまんがでわからなかった
知ったかぶりたい、できればお手軽に。
「まんがでわかるニーチェ」なら、それができるのだろうか・・・
そんな私の小賢しい願いを叶える「まんがでわかる」シリーズ、まさかのニーチェ。
勉強好きの友達からは、「キリスト教社会の予備知識がないと、何が死んだのかよくわからないと思うよー」というアドヴァイスを受けました。(「神は死んだ」byニーチェ)
でもきっと、まんがならとっつきやすく解説してくれているはず・・・!そう思い、勢い勇んで一気に読みました。
なるほど、本家ならば難しく時に退屈になってしまうようなお話も、スラスラと最後まで読めました。まんがでなければ絶対に挫折するでしょう。
しかし、
結論:まんがじゃニーチェはわからない
個人的にはそういった感想になったでございます( ´,_ゝ`)
ニーチェ的な考えを引用した自己啓発本
「まんがでわかるニーチェ」は「もしドラ」よろしく、ウェイトレスのアルバイトをする主人公女子の周囲で巻き起こる現代の出来事と照らし合わせて、ニーチェ哲学をわかりやすく解説していく形式。
こういう感じな↓
そして、それぞれの章の最後には、まとめページとコラムが付いていてニーチェの思想を詳しく図解。
正直、非常にわかりやすいです。難しいとされるニーチェを、よくこのような形にまとめたな、という感じ。
「ニーチェ的考え方に触れながら自己啓発できる本」としてはとても優秀なんじゃないでしょうかね。
あんまり面白くはないけど(゚ε゚) あっ つい本音が。
ネット民には当たり前すぎる考え方?
まぁつまり、多くの自己啓発本には当たり前のことしか書いていないのと同じく、この「まんがでわかるニーチェ」にも内容的には退屈なことしか書かれていません。
例えば、「chapter6:言い訳は挑戦を遠ざけ自分自身を弱くする 〜ルサンチマンで自分を正当化するな」などという感じで、ニーチェ哲学と合わせてガンガン自己啓発!(^q^)
いや、良いこと言ってるしニーチェも取り入れてるんだけど、なんか内容が普通すぎて頭に入ってこないえへぇ(^q^)
これはニーチェの思想自体が現代人には当たり前すぎる価値観になったからなのか、それともこの「まんがでわかるニーチェ」のまとめ方自体が浅すぎて(←わざと浅くしてるのでしょうが)そう感じるのか・・・まあ両方ですかね。
とにかくニーチェを現代的に明るく都合よく解説しているだけなので、個人的にはもうちょっと毒か薬部分もないと、なんも体に効かねえな!という感想よ。あたいが汚れすぎているだけなのかしら( ´,_ゝ`)
まあとにかく、普段本を読み漁っている人・ネット好きで人の深淵を覗くのが趣味な人々wにとっては、内容的にはあまり新しい刺激は無いんじゃないかしら〜。
結論:古典は苦労して読まないと身に入ってこない
結局、ニーチェのような現代にも通づる思想の基盤となっているものともなると、「良いとこ取り」ができないというか、しても意味が限りなく薄まっちゃうのよね。ということを良く感じた一冊でございました。
やはり、いわゆる「古典」は、色々調べたり背景を理解して苦労しながら読まないと「わかった・・・ような気がする!」という気持ちにすらなれないのが面倒くさくもあり、魅力なのかもと改めて思いましたよ。
しかし、wikiやらでニーチェの人物像・生涯なんかを追ってみると、
・・・生涯、童貞?(°д°)(°д°)(°д°)
それを聞くと、なんか難しい概念も全部、童貞こじらせちゃって色々言っちゃっただけのような気がしてきた(°д°)
↑偏見です
最後になりますが、「まんがでわかるニーチェ」でニーチェは分からないけど、難しい本が読めない・読む気がしない人が扉を開く本としてバカにしないで読んでみることは良いと思いま〜す。
(おしまい)