文系オトナギーク女子

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W不倫漫画「あなたのことはそれほど」〜漫画より現実のほうが気持ち悪い

 

ドラマ化で話題の漫画「あなたのことはそれほど」1〜4巻を読みました。

 

「あなたのことはそれほど」はアラフォー世代にはおなじみのいくえみ綾大先生による、W不倫漫画

 

 

いくえみ先生といえば、絵柄といい登場人物といいストーリーといい「ピュア」。

 

どんなにウジウジした黒い登場人物だったとしても、作品全体を覆う強力ないくえみフィルターによってなぜかイノセントに仕上がるのよ、、。

 

 

そんな少女漫画の代表格の先生が、、、

歳を重ねたファン層の年代に合わせたテーマ「W不倫」を描くとは世も末、じゃねえ、時の流れを感じるわ。

 

 

「あなたのことはそれほど」でも、いくえみ漫画らしい淡々とした「透明感のある」作風は健在。

 

逆にその無駄に清潔な雰囲気の中で進むW不倫が、恐怖と違和感とリアルさをあおってゾクゾクします。

 

 

リアル。漫画というよりこれ現実や。。。

 

詳しいあらすじ等は割愛しますが、キャラ設定はざっとこんな感じ。

 

 

◯主人公・美都(みつ):新婚。初恋の人である有島と不倫し、夢中に。

 

◯美都のダンナ・涼太(りょうた):嫁に浮気され、嫉妬に狂ってストーカー化

 

◯不倫相手・有島(ありしま):嫁と子どもにベタ惚れ。浮気は魔が差しただけで後悔中。でも優柔不断で別れられない。

 

◯有島の妻・麗華(れいか):冷静で賢く、非の打ち所がない奥さん。冷静すぎて逆に怖い。

 

 

ってところです。

これだけ見ると漫画やドラマじゃなくて、現実によくあるお悩み相談の図式ですね。無駄な装飾がなく大変にリアル。

 

 

淡々と描かれる狂気の「裏の日常」

 

ドラマのほうは私は見てませんが、ネットでの感想をみると「ストーカー化したダンナが怖すぎる」等々の反応があるみたい。

 

もしかすると今後、ドラマの方はもっとTV的にあおってダンナさんが猟奇的に描かれていくのかもしれませんね?

(これを書いている現時点では、まだドラマの第一回目が終了したところ)

 

 

だからドラマの方がどうなるかわからないけど、漫画のほうはあくまでよくある「普通の日常」なんですよコレが。

 

 

ここでの日常というのは、普段私たちが見ているものが表だとしたら、裏の日常

 

 

怖いのは、本当は表の数と同じだけの裏があるのに、人々はそれを「まるで無いものとして」隠して生きていること。

 

ダンナ以外に恋焦がれるのもよくある話。男が嫁と子どもを大切にしていてもフツーに外でエッチするのもよくある話。でもどちらも表向きは禁句。

 

 

つまり「普通の日常」ってのは表と裏を合わせたもので、裏で人は時には狂い、時にはろくでもないものなんですよね。

人間にはろくでもない性質の部分が、ナチュラルに備わってる。

 

(しかも、いくえみ先生的にはわざとダメ人間を描いているわけではなく、大人の男女のそういう側面を描いたら自然とこうなった、的な感じがする)。

 

 

それに改めて気づかされるいくえみ先生の淡々としたパサパサ感が怖すぎる。

 

 

 

現実はもっと気持ち悪い

 

ストーカー化した旦那さんを怖いキモイと思う読者もいるだろうし、ビッチ化した主人公にまったく共感できない読者も多いと思う。

 

でも実際、不倫のドロドロによって少しずつ心が狂わされていく人達は、こんなもんだと思った。いくえみ先生、なんもオーバーな表現してません笑。

 

現実はもっとキモイし、怖いよ。

 

 

配偶者を疑心暗鬼になってしまったら、人はストーカー行為や尾行、ケータイ盗み見なんて日常茶飯事にやる。

 

愛情にあぐらかいてひでぇ言動を繰り返す女も、罪悪感にさいなまれながらもダラダラ浮気を続けちゃう男も、まあ「最低の中の普通」なのかな、と。

 

結局、人間ておかしな行動ばかりしていると、だんだん倫理観レベルがダダ下がっちゃうんですよね。

 

 

 

漫画の中では全員、一応その時その時いちばん大切なものを守ろうとして行動するのだけれど、どれも間違っていてそれぞれが自分の首を絞めていくことになります。

 

特に不倫をしている本人達はいざ知らず、されている配偶者たちが苦しみの中で取った行動によって、さらに自体が悪化していくのが読んでて辛かったです。

 

美都のダンナ・涼太は、大きな愛で包もうとすればするほどキモがられるし・・・

 

有島の妻・麗華は、冷静で賢い行動をするあまり、逆に有島を追いつめてしまうし・・・

 

別に彼らの行動は、追いつめられた人間としては理解できる範疇の行動で、コワいキモイと責められたもんじゃないと思うんですけどね〜。

 

でも結局、狂気の中では「正しい愛情」すら毒になるってことですね。苦しい。

 

 

 

今度の展開は、、、全く予想がつきません

 

現時点の4巻まででは、自体が悪化しているのか収束していくのかさえまだ見えていない「あなたのことはそれほど」。

 

一体どうなっちゃうのか全く予測はつきませんが、これまでで一貫性があるのは、有島が妻の麗華にベタ惚れしていて家庭を壊す気が全くないという所だけなので、そこだけが微かな明るい部分ですかねぇ。

 

でも現実と同じで、それでもうまくいかない時はいかないし、、、

やっぱ想像つかないです笑

 

 

今後の展開がゾクゾク楽しみな一作。

いくえみてんてー、もっとやっちまえ〜! ←?

 

 

(おしまい)

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