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「嫉妬と自己愛」世界は感情で動いている
世の中は、嫉妬と自己愛で動いている──
元外交官・佐藤優氏の著書「嫉妬と自己愛」読了。
嫉妬心とは?
<他人が順調であり幸運であることをにくむ感情>。
身も蓋もないが、その通りすな(´・ω・`)
政治の世界では「男の嫉妬」が発火点になり、「能力も意欲もある人間」(=嫉妬や羨望のまなざしを受けやすい人物)がそれによって消されていくことはよくある話だそうだ。
佐藤氏は、鈴木宗男氏の2002年の逮捕劇(いわゆるムネオハウス事件)は、中曽根元総理・橋本元総理等々を中心とした男の嫉妬心が発火の元だったと書いている。男の嫉妬心=権力闘争と直接結びつくから厄介だと。
え・・・
じゃあ何、嫉妬さえ無ければ、北方領土はもう返還されていたかもしれないということ?
タラレバはないが、或いはそうだったかもしれない。
つまり嫉妬心というのは人1人くらい平気で殺すし、そのくらい重要な局面の結末を変える可能性がある劇薬ということ。
嫉妬心ごときで?と思う人は要注意。
他人の嫉妬心に希薄で無頓着すぎて、自分も会社などで、将来足下をすくわれる可能性があるから。
そして嫉妬とセットなものが、自己愛。
現代は嫉妬よりも「歪んだ自己愛」の時代。
かつての「嫉妬を感じたら、それをエネルギーにして上を目指す」という嫉妬心の生産的な使い方は薄れる傾向にあり、その代わり「はじめから土俵にあがらない」闘争心の薄いタイプが増えている──
確かに、周囲にいる45歳以上と20代を比べてみても、その通りだなと感じることが多い。
佐藤氏はどうしてこうなったかを時代性、ネット・SNS、さまざまな影響を例にあげて多方面から論じているが、とにかく現状として「いまいち自分に自信は無いけれど、他人から低くみられることには耐えられない」人間が増えているということ。
現代では、ナルシストでプライドの高いガラスのハートの部下に悩む上司も多く、佐藤氏はそういう部下のことを「実力ゼロ人間」と名付けている。
実力ゼロ人間て・・・(^Д^)
オブラートに包めてないwww
こういう「隠れ自己愛人間」が増殖していき、さらには自己愛も消失する時代がやってきて──
その時、自分と他人の一切の隔たりのない、人類補完計画がはじまる。(とは佐藤氏は言っていない)
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<今日の学び>
◯嫉妬や気に入らないからといった理由で社会から消されることは、ドラマや映画の中だけではなく実際によくある話。ただし表には絶対に出てこない(お〜こわ)
◯「自分は自分、他人は他人」と正しく生きようとしている者ほど、他者からの嫉妬に無頓着になる傾向があるから時には脇をしめ、周囲に気を配ろう
◯自己愛を歪ませて肥大化させたプライドばかりの「実力ゼロ人間」が組織に居たら、たたき直してやろうと思わずに、いなくなってもらうしかない
◯嫉妬も自己愛も、健全につき合えばこれ以上ないエネルギーになる
嫉妬と自己愛、毒にも薬にもなり得るからうまくコントロールして生きよう。
(おしまい)