「料理って思想」と思わせられるビストロ「イブローニュ」後編
2016/02/29
(昨日に引き続き、世田谷代田のビストロ「イブローニュ」について)
・イブローニュは愛すべきキ○ガイ店である(メッチャほめてます)
一言でいうと、そういうこと。
ちなみにワタクシにとって「キチ○イだぁ」は、最高の褒め言葉ですのであしからず。
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※ここから先は、ワタクシの「主観」「印象」と「予想」「妄想」で書かれていますので、「すべて事実」と思わないでください。もちろんマスターご本人に取材も一切していませんので、ご本人から指摘があった場合は速やかに削除します)
今から10年以上前。たまたま道を歩いていた時、池尻にオープンしたばかりのイブローニュと出会った。
満を持してのオープンと見え、マスターの目はキラキラとしていた。
当時は今よりも「良いビストロ」は希少だったし、料理は本格的なフレンチの手法を余すところなく発揮している…のにラフに飲み食いできる、本当に新しい店だと思った。
やはり、そんな希少で良い店は、流行るに決まっている。
即刻、お店は大繁盛。てか繁盛し杉。
しばらくすると、予約なしでふらりと行くなんて滅相もない店になっていた。
そして。
久々の訪問。
おそらくイソガシすぎてオカシクなったのでしょう(苦笑)、あのキラキラとした青年が、ピリピリした男になってるでおじゃる!!
か〜が〜や〜き〜〜は〜〜もどぉ〜〜ら〜ないぃ〜〜〜(byゆーみん)
…そんなこんなで、そもそもその日にナニ食いたいかで店を決めるワタクシには、予約の取れない店として足は遠のきました。
そして月日は流れ。ある日店の前を通ったら…
閉店してるでおじゃる!!
あんなに繁盛していたのに何故?
ワタクシの脳裏には、店の繁盛とは裏腹に、楽しそうではなかったマスターの姿がふと思い浮かんだ。
けど、所詮他人事なので一瞬で忘れた(がはは)。
そして、さらにさらに月日は流れ
一昨年くらいだったか。これまた代田のド住宅街をフラフラ散歩していた午後の昼下がり。
住宅街の真ん中に、なにやらこぢんまりとしたお店を発見し、なんとそれが新生イブローニュだった。
中には仕込み中のあのマスターが居る、間違いない!
ワタクシは復員船で手を振る人の中に、お隣の家のお兄さんの顔を見つけた時のように嬉しさを憶えましたよ。戦争知らないけど。
そしてそれからすぐ、ディナーに伺ってみた。
すると・・・
美味しい料理はそのままに、そこに居たのは池尻にオープンしたての時の彼だった。そしてさらにゆるりとダラッとフラッと呑めるお店になっていた。
それで確信したのだけれど・・・
こやつ、繁盛しすぎたから池尻から撤退したな笑。
そして、いくら食べログで褒めちぎられようとも客が来すぎない、めっぽう不便な物件を敢えて探しまわったのだな!?と。
(てか食べログ対策で人に見つからない場所に移転したとしたらクール過ぎwww)
それに気付いて(妄想かもだが)ワタクシは胸熱でした。
客が来やすい立地を血眼で探す人は多いが、人里離れた(マジどこの駅からも遠く、周りに家以外なんもない)場所に理想を求める店主は稀だ。
しかし、物事を突き詰めている人には、それが至極まっとうな道なのだ。唯一の理にかなった方法なのだ。その思想がキャッチできた。
そしてそんなエクスペリメンタルな男が作っている料理は、・・・古典や風土に忠実な、王道さを持った料理や空間なのがまたいい。
ということで長々とお店鑑定(笑)しましたが、大げさに語るよりもダラっとゆるっと気楽に、大それたことなく存在するお店として使うのが正解なお店「イブローニュ」です。
今、ギリギリその日の予約で入れるくらいの程よさで、ワタクシにとって最高に「塩梅のいい」お店ですので、みなさん行かないでくださいね。混むから。